伝説のギャグ誕生秘話『岸辺の旅』黒沢清監督 (2/4)

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撮影の合間に知った伝説のギャグ誕生秘話

幽霊となった夫と妻が未来に向かって旅をする、ちょっと不思議な物語。前回は作品の見どころから、黒沢監督の死生観などを語ってもらいました。今回は、この独自の世界観を見事に演じた俳優の方たちと現場でどんなやりとりがあったのか? お話を伺いました。小松政夫さんのあの有名なギャグ誕生秘話も明かしてくださいました。

 

 

とても自然に夫婦役を演じてくれた二人

ーーー幽霊になった夫と、それに寄りそう妻という一見難しそうな設定ですが…浅野忠信さん、深津絵里さんの演技はいかがでしたか?

撮影現場はいたってスムーズでした。僕も特に演技指導みたいなことはしてないです。2人とも映画っていうものがどういうものかわかっていますから。撮影に入る前に少しだけ、こういう狙いですって話をしましたけど、あとの細かい言いまわしとかは2人がそのままごく自然に演じきってくれました。

 

 

撮影の合間にギャグで盛り上げてくれた小松政夫さん

ーーー脇を固めた俳優のみなさんはいかがですか?

他の俳優さんも本当にスムーズに演じてくれました。特に小松政夫さんなんかは、撮影以外のときもギャグで盛り上げてくれましたし。良い意味でくだらないことばっかり言ってましたよ。

 

ーーー楽しそうですね~

小松さんのことは、僕も昔からテレビで見ていてファンだったので嬉しかったです。

 

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(c)2015「岸辺の旅」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS

 
ハラホロヒレハレ誕生秘話

ーーー小松さんのファンだったんですか?

そうなんです。それでせっかくなので、今回の撮影の合間に、小松さん本人に「ハラホロヒレハレ」っていう有名なギャグはいつ思い付いたのか聞いてみたんです。

 

ーーーファンとしてはまたとないチャンスですよね。どんなキッカケだったんですか?

誕生した時期は、小松さんが谷啓さん(*注)の付き人をやられていたときらしいんですけど谷啓さんが麻雀のパイを引くときに有名な「ガチョーン」を言いながら引いていたらしいんです。そのとき谷さんが小松さんに「お前も何か言ってみろ」って言ったらしくて、そこで小松さんは咄嗟にパイを引きながら「ハラホロヒレハレ〜〜」って言ったのが最初だったらしいです。

(*編集部注釈/谷啓(たに・けい)=昭和を代表する大人気ジャズバンド「ハナ肇とクレイジーキャッツ」のメンバー)

 

ーーーほぉ~、いわゆる無茶ブリから生まれたギャグだったんですね

ものすごく感動しました(笑)

(1/4)『岸辺の旅』黒沢清監督 幽霊の夫に寄りそう妻の旅路

(3/4)『岸辺の旅』黒沢清監督 巧妙なフィクションの定義とは?

(4/4)『岸辺の旅』黒沢清監督 戦争映画を撮ってみたい

 

 

■「岸辺の旅」公開情報

*20015年10月1日(木)〜 テアトル新宿ほか全国ロードショー

*第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞受賞!

監督:黒沢清

脚本:宇治田隆史

出演:深津絵里、浅野忠信、小松政夫、蒼井優、柄本明、村岡希美、奥貫薫、赤堀雅秋、首藤康之

公式サイト:http://kishibenotabi.com

「岸辺の旅」予告篇