人気キャラ「ウィスパー」の妖怪メダルが存在しない理由
妖怪ウォッチの魅力は、そのキャラクターの愛らしさにもある。メインキャラのジバニャン、“かっこいい系”のフユニャン、愛されキャラで女性人気も高いコマさん、そしていつも主人公ケータのそばにいる妖怪執事のウィスパー。
本サイト編集長の娘も実は妖怪ウォッチの大ファンということで、今回は、ちびっ子目線の素朴な疑問に日野さんが答えてくれました!
■ウィスパーは雑に扱うのがスタンダード!?
――実は僕の娘も妖怪ウォッチのファンで、素朴なギモンがいろいろあるようなので聞いてきました。ひとつは「なぜアニメと同じ実写の世界が作れたの?あの街はどこにあるの?」というものですが、撮影はどのようにされたのでしょう?
現場には僕も立ち会ったんですけど、美術の人たちも頑張ってみんな再現するようにしていましたね。たとえば通り一つとってもどうやったら似るかみたいなところもこだわっていましたし、ケータの家とかはセットで完全に(アニメの世界に似せて)作ってるんですよ。
――2つ目の質問は「ウィスパーのメダルがないのはなぜ?」というモノです。「いつもウィスパーどこだって探してるけど、ジバニャンみたいにメダルがあれば呼べるのに」と言っていて、なるほど…と思ったのですが、いかがですか?
ああ、そう言われてみるとそうですけど、ウィスパーは物語の設定上、メダルになりようがないんですよね。他の妖怪と違って“ともだち”じゃないですからね。
――なるほどケータくんの“執事”ですし、そこに基本的にいるものだから、わざわざメダルは必要ないと
はい。スピンオフの「妖怪ウォッチ バスターズ」などではあったと思いますが。あと、実は商品的に非常に人気がないんですよ(笑)。
――そうなんですか!? あんなにずっといるのに…
そうなんですよ。一時期ちょっと問題になったぐらいなんですけど、ぬいぐるみを作ったら、ウィスパーだけ余るんですよ。妖怪ウォッチの人気がのぼり始めた頃、関連商品が販売されるとすぐに売り切れて、商品が乗っていたワゴンが空っぽになるような状況下でも、ウィスパーだけは売れ残ってたんですよ。
――かわいそう(笑)
だから、逆にそういう意味合いも込めて、いわゆるプロジェクトチームのギャグとして作らないというか、ウィスパーをそういうキャラにしようという感じもあります(笑)。
――アニメでも「ウィスパーの靴は売れないから」というイジりもあったり、ウィスパーがいないと話が成り立たないにも関わらず、そんな扱いなんですね。
ただ海外では、日本より人気があります。日本でもキャラクターとして人気はあるのに、グッズが売れないだけなんです。というのも、ウィスパーを雑に扱うというのが、もう妖怪ファンの間で、いわゆるウィスパーの取り扱い方になっているみたいで、「ウィスパーがあっても買わない」っていう(笑)。
――消費行動にも反映させちゃうんですか(笑)
そうみたいですね、キャラクターとしてね。ウィスパーをレジに持って行くと「負け組」という感じがあるんじゃないかと、僕らは分析してまして(笑)。
■家族みんなで楽しめる映画
――【Filmers】の読者は20代、30代の方が多いのですが、これからお子さんと一緒に映画を観に行くお父さん・お母さん世代の読者に向けて、何かメッセージをいただけますか?
映画もそうなんですけどテレビも含めて、『妖怪ウォッチ』は家族みんなで楽しめるように作っているつもりです。今回も、大人の見どころと子供の見どころをそれぞれちゃんと作ってあるので、たくさんの方に楽しんで頂けると思います。
今までにない不思議な感覚で見られるというか、普通だったらアニメが実写になって、実写がアニメになってというと、実際には浮いた感じになると思うんですけど、今回は、本当にアニメのキャラが現実の世界に来て、また戻っている感じがするんです。
その感覚がちゃんと再現できたので、それはよかったなと思っていて。そういう不思議な感覚になれるところも見どころなので、ぜひ家族で見てほしいですね。
【製作総指揮・原案 日野晃博さんインタビュー(全4回)】
『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』公開情報
2016年12月17日(土)全国ロードショー
製作総指揮/原案:日野晃博
原作:レベルファイブ
連載:月刊コロコロコミック
監督:ウシロシンジ
実写パート監督:横井健司
脚本:日野晃博・加藤陽一
声の出演:戸松遥 関智一 小桜エツコ 遠藤綾 重本ことり 梶裕貴 潘めぐみ
出演:南出凌嘉 浜辺美波 黒島結菜 澤部佑/遠藤憲一 山﨑賢人 斎藤工/武井咲