ノミネート4作品 監督インタビュー アルファロメオ主催の短編映画コンペI LOVE CINEMA2016レポ(3/4)

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アルファロメオ主催の映画コンペ「I LOVE CINEMA2016」。ノミネート4作品それぞれの監督はどういった想いで5分の短編の中に共通テーマ/モチーフであるアルファロメオの名車「ジュリエッタ」を織り込んだのか? まずは…惜しくも受賞を逃した2作品『サクマくんはママのカレシ』平林克理監督、『秘密』安川有果監督のインタビューをご紹介します。

 

 

 

■『サクマくんはママのカレシ』平林克理監督

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―――自分の母親のデート相手“サクマくん”が乗っている車として「ジュリエッタ」が出てきますが、どういうキッカケでこのストーリーを考えたんですか?

作品の中で、ジュリエッタをどういう位置に置こうかと思ったとき、人々の生活の中にあるドラマチックなシチュエーションの中でどう存在させようかと考えて…それを元に、ジュリエッタを運転する人の生活スタイルを思い浮かべて…今回のような話になりました。

 

 

―――あらためて“サクマくん”のイメージは?

やっぱり「ジュリエッタ」って特別な車なので、それに乗る人というのはオシャレな人ですよね。

 

 

―――最初はキザな男という感じもしましたが、女の子との触れ合いで、良い男という感じも出てましたね

人同士の関係って、普段は穏便な生活の中でも、ドラマチックな瞬間って必ずあると思うんですけど、その一つとして“サクマくん”と女の子の出会いを切り取ってみました。

 

 

―――女の子の演技も感情が伝わりやすくて良かったと思うのですが、監督から見てどうでした?

そうですね。あの子をキャスティングしたのは、オーディションで会った瞬間に決めました。リハーサルをしたときに、アドリブに上手く対応できていたのがあの子でしたから。演技経験はなかったみたいなんですけど、良い演技をしてくれたと思います。

 

 

―――子どもの目線から見たジュリエッタの表現も新鮮でした

普通、スポーツカーというと、デートの道具とか、自己表現の場として買う人が多いですけど、でも子どもはどういう視点で見るのかなと考えたときに、色や形とか、そういう純粋なところに惹かれるのかなと、そこを描けたらなと思いました。

 

 

―――こういった企業によるコンペについてはどう思いますか?

映像で表現できる場を作ってくれるのはうれしいですね。見てくれる人は必ずいるので。やっぱり僕らは、映画を作んなきゃ始まらないし、作るからこそ注目もされるわけで、こういう場はいっぱい広がっていくのはうれしいですし、感謝しています!

 

―――テーマが設定されていた方が作品は作りやすいですか?

そうですね。皆さん作家性が強い中、僕は商業性という面で、テーマが設定されていた方が作りやすいです。別にテーマが決められているから窮屈ということもないです。テーマが何であっても、どうしても自分の色は出ますから。だからテーマが何もなくても自分が出るし、テーマがあっても自分は出るし、そこはどちらでも変わらないと思います。

 

 

 

■『秘密』安川有果監督

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―――昼は普通の主婦が、夜になるとジュリエッタで颯爽と夜道を駆け抜けるというシーンが印象的な作品ですが、どういうイメージでストーリーを考えたのですか?

私は普段、車には乗らないので、正直あまり車に詳しくはないんですけど、ジュリエッタについて聞いたら、見た目は華やかで個性的、それでいて機能もギア一つで乗り心地が変わるなど、こだわりが詰まっているなと感じました。そういう内に秘めたものを出せたらなと思いました。

 

 

―――少しサスペンスのような雰囲気もありますね

そうですね。昼ドラチックなホラー映画というイメージです(笑)。

 

 

―――監督ご自身は運転されないとのことですが、ジュリエッタを最初に見た印象は?

とにかくパッと目を引くというか、色気を感じさせる女性っぽいイメージがしました。あと、品はあるけども、ちょっと尖った感じというか。なので、作品ではそのイメージをヒロインに投影しました。

 

 

―――主人公が主婦というのも他の作品とは少し違いますね?

そうですね。他の監督の方たちはおそらく若い俳優さんを使われるのかなと思ったので、私は逆に40代の女性という、普通だったらあまり主役として選ばれることがない人物で描いてみようと思いました。でもその分、“私の人生これからだぞ!”というようなエネルギッシュな感じを出せればなと思いました。あと…人間って、たまには非日常に走ることでバランスを取ることも大事かなと。

 

 

―――監督自身は普段、どうやってバランスを取っているんですか?

私の場合は映画を作ることですね。普段は地味に生活してるんですけど、映画を作っているときが、自分の中での非日常で、それが発散になっていると思います。

 

 

―――他の監督の作品を観ての印象は?

見事にみんなバラバラだなと(笑)。それぞれいろんなストーリー性があって面白いですね。実は私も、もっとコメディというか笑わせる要素も出したかったんですけどね…。ふざける笑いじゃなくて、本気でやってるからこそ生まれる笑いを。ただ、作品が出来てみると、本気の度合いがだいぶ強くなったかなと思います(笑)。

 

 

―――最後に、こういった企業主催のコンペについてはどう思いますか?

テーマを与えられて映画を撮るというのは新鮮な体験でしたし、どんどん続いていって欲しいです。きっと、これまで映画にはあまり興味なかったけど、アルファロメオが好きだから映画を見たという人もいると思います。いま、機材とかは安くなってきて、その気になれば誰でも映像は作れる、そういう環境は整ってきていると思うので、こういった発表のチャンスも広がって欲しいなと思います。

⇒(4)へ

 

 

 

■「I LOVE CINEMA2016」レポート
(1)名作映画の中に名車あり
(2)河瀬直美監督が登壇
(3)ノミネート4作品 監督インタビュー
(4)ショートフィルムはテーマが決まっていると個性の違いが楽しめる

公式サイト:http://www.alfaromeo-jp.com/lovecinema/

 

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