新しい試みで"現代"を表す!『ゴーストバスターズ』

th_gb.sub1.jpg

©2016 CTMG. All Rights Reserved.

本作は1984年に公開された映画「ゴーストバスターズ」の新装版作品である。当初は89年に公開された「ゴーストバスターズ2」の続編、「ゴーストバスターズ3」として2008年頃から制作されていたものだったが、制作過程での紆余曲折を経て、監督やキャスト陣などチーム全体の大幅な変更を行い、一作目の「ゴーストバスターズ」の新装版となった。

 

 

「ゴーストバスターズ」、「ゴーストバスターズ2」の監督で、本作の監督も務めるはずだったアイヴァン・ライトマンから新装版を引き継いだのは「ブライズメイズ 史上最悪のウエディングプラン」(2011年)のポール・フェイグ監督。原作では全員男性で構成されていたゴーストバスターズのメンバーを女性キャストに一新。ポール・フェイグの喜劇作品の常連でさすがの相性の良さを魅せたクリステン・ウィグ、メリッサ・マッカーシー。そして、全米放送の「サタデーナイトライブ」などで知られるコメディエンヌであり、女優でもあるケイト・マッキノンとレスリー・ジョーンズ。コメディに精通する4人が新たにキャスティングされたことで、「ゴーストバスターズ」という映画の持つ意味合いや作品の核となるものが、原作のそれとは大きな違いをみせている。

th_gb.main.jpg

©2016 CTMG. All Rights Reserved.

 

本作は、周辺の人々から認められずあきれられ、爪弾きにされている落ちこぼれ科学者たち(ゴーストバスターズ)が、ゴーストを捕まえニューヨークの街を守るというストーリーを奇妙きてれつなマシーンの登場や迫力あるCG(本作は3Dでの上映もある)を駆使して描くという、ある種の王道ジャンルによくある本筋を抜きにしても十分に楽しめるほど、ワンシーンワンシーンが本当に面白いし、エンターテインメント作品としての完成度も高い。

 

悪から街を守るというようなタイプの作品が既にたくさん作られているが、どの作品とも違う魅力が本作にはある。監督やキャスト陣のほとんどがコメディに精通しているため、映画の中で起こる会話やちょっとした出来事がいちいち愉快でおもしろい。主人公たちが全員女性で構成されているということを完璧に生かしきっているし、それによって女性が共感し楽しめるようになっている。だからといって、フェミニズム的主張があるわけでもない。エンターテインメント作品として、とても新しい試みが行われた作品だと言える。

 

監督のポール・フェイグは「僕に対してひどい言葉を投げかける人(おそらく原作ファンのこと)がいたら、ゴメン、でも僕のところに話がきたんだとしか言いようがないよ」と控えめ姿勢をみせているが、この監督とキャスト、スタッフでの新装版「ゴーストバスターズ」がなかったことを考えると、制作中止になった最終的な原因のハロルド・ライミス(シリーズを通してのゴーストバスターズの一員)の死以外、本作に関しての制作過程でのいろいろがあって良かったと思わざるを得ない。

 

先行上映で観に行った土曜日の新宿ピカデリーはほぼ満席で、多くの男女で賑わっていた。友人や恋人と観る映画選びに迷ったら、本作を観ることを強くおすすめする。もちろん一人でも。きっと、良い映画体験になることに間違いはない。

 

109シネマズは、2016年8月25日(木)から『ゴーストバスターズ』[IMAX® 3D版]の公開を決定!109シネマズ大阪エキスポシティ、109シネマズ二子玉川ほか、IMAXデジタルシアターのある劇場で公開されます。

 

『ゴーストバスターズ』オフィシャルサイト