『追憶』降旗康男監督が岡田准一と小栗旬に出した「宿題」
(C)2017映画「追憶」製作委員会
高倉健をはじめ、長年時代を代表する映画スターを撮り続けてきた降旗監督。今作も、主演に岡田准一、共演に小栗旬、柄本佑、長澤まさみ、木村文乃、安藤サクラ、吉岡秀隆と、豪華なキャストが顔を揃えています。前回、安藤サクラさんについて伺いましたが…今回も引き続き、キャスティングについてお話を伺いました。
■降旗監督が岡田准一の佇まいに感じた素質
-次は、俳優陣のキャスティングなどについて教えてください。最初に決まったのは、主演の岡田准一さんだそうですが、高倉健さんとの共通点はありますか?
岡田君はまだ年齢が30代の始めですから、共通点というほどのものはまだありませんね。高倉健が「高倉健」となったのも、30代に入ってからですから。
-若さと可能性を持っている俳優ということですか?
そうですね。彼はそういった素質を持っている俳優さんだと思うし、これから1本1本、認められていくと思います。
-どういったところに、その素質を感じましたか?
それは全体像だから、どういったところという訳ではありません。ただ、佇まいもそうですし、そういうものってきっとあるんだろうと思います。見ていれば分かることだと思いますね。
-高倉健さんのあとを継いで欲しいという思いもありますか?
いえ、健さんの真似をしても仕方がないので、「岡田准一だな」というふうに早くなって欲しいですね。
■降旗監督が岡田准一と小栗旬に出した「宿題」
-脚本に関しては、岡田准一さんと小栗旬さんに、2人が一緒に登場する場面の台詞を自分たちで考えてくるようにと「宿題」を出されたとお聞きしました。
はい。それは、脚本にある台詞に合わせようとするのではなくて、脚本の中の主人公に、自分がなってくれということなんです。そうしたら、もっと違うダイアローグ(台詞)が出てくるかもしれないし。だから、もう勝手に脚本を書き換えていいから、やってみてと言ったんです。それにはよく応えてくれたんじゃないかと思います。
(C)2017映画「追憶」製作委員会
-撮影ではテストは1回で、すぐに本番になったそうですね。
はい。
-つまり監督としても、満足のいく宿題の出来だったということでしょうか?
そうですね。そうやって、彼らのようにまだ若い俳優たちだけじゃなくて、僕ら自身も少しずつだけど領域を拡げて、成長していけるんじゃないかと思います。また、そういうことを夢見ていないとな、とも思っています。
【『追憶』降旗康男監督インタビュー(全4回)】
(1)安藤サクラは「能登半島のマリア」
(2)降旗康男監督が岡田准一と小栗旬に出した「宿題」
(3)木村大作キャメラマンと降旗康男監督の「あ、うん」の呼吸
(4)「"活動屋"の世界は水が合った」降旗監督が映画業界に入った理由