結構、生活をおろそかにしていたんです『この世界の片隅に』のんさんインタビュー
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
11/12公開『この世界の片隅に』のんさんインタビュー第2弾(*第1弾→ 普通に生きて行くことがすごく幸せ )。戦時下で暮らす人々の日常が丁寧に描かれている本作。主人公・すずの暮らしぶりに、のんさんもたくさん影響を受けたそうで・・・
◆すずにならい、浴衣をもんぺにリメイク!
――戦争というものは、ドラマなどにはネガティブな要素として入ることが多いですが、この作品は戦争という背景でありながら、もんぺを切り取って裁縫するような日常のシーンを丁寧に撮っています。ブログ(http://lineblog.me/non_official/archives/11061572.html)を拝見したら、着ている浴衣を「すずさんに倣って“もんぺ”にリメイクしよう」とおっしゃっていましたが。
そうですね、「もんぺ作りたい」と思って、作りました! あの縦縞の浴衣で。
――すごい! ところでそのもんぺは、ふだん履くのですか?
履いてないですよー。ここぞというときに履こうと思って!
――「ここぞ」とは、パーティ的なところでしょうか(笑)?
そうですね、ここぞというときに。
――お裁縫以外にも、ごはんのシーンもありましたね。
そうですね、楠公飯(なんこうめし)とか。
――節米料理として戦時中に推奨されたという楠公飯は、劇中でも「不味い!」と話題でしたが。
はい(笑)。
――でもほかの、サツマイモと山菜のおかゆとかは、ある意味ロハスな感じで美味しそうでしたが、そういった劇中のごはんを作ってみたりは?
あのごはんは食べたいって思ってるんですけど、作ってないですね…。作りたい! 楠公飯!
――楠公飯は難しそうですね。ところでのんさんは、お料理はされるんですか?
料理はします。小中学生のときとか、親が共働きで、私は長女なので作んなくちゃいけなくて、ごはん当番でした。今でもたまに作ります!
――映画に出ることで、日常のごはんを作ったりすることの大事さがわかった?
そうですね。ごはんを食べているときの幸せな感覚がわかりました。今までポテトチップスとかが大好物だったんですけど、「ああ、ごはんがおいしい!」みたいな。
――それはごはんがわりにポテチを食べていたということですか(笑)?
最近はやってないです! 高校生の頃とか。それから我慢してそういうのはやらないようにして、ごほうびみたいにしてました。
――ポテチを?
はい。「ああ、食べれる…」って(笑)。
◆「生活の才能がない」と自分を評するのんさん
――この作品にふれて、「普通に生きていくっていうことが、すごく幸せなことなんだと感じた」とおっしゃっていましたが、のんさんはふだんはどんな暮らしをしていますか?
けっこう生活を疎かにしていたんですよ。あんまり才能がなくて。生活するっていうことの。
――生活するのに才能がいるとは(笑)。
1日3食ちゃんと食べるとか、朝起きてごはん作って洗濯したりとか、ちゃんと毎日の営みとしてやるっていうのが…、とても苦手で。
――(笑)
「仕事がちゃんとできればいい」って思ってて。で、生活の才能がないから、こういう仕事をやってるんだって思って、疎かにしてたんですけど。でもこの作品をやってから、お洗濯したりごはん作るのが楽しくなってきて。
――ブームが来ましたか!
はい!
――では「生活」以外は何をしていますか?
ギターを弾いたり、洋服作ったり、絵を描いたりします。
――主婦ではなく芸術家タイプなんですね。
その面で憧れますね、すずさんに。18歳で結婚して、奥さんの務めを頑張ってるっていう。
ギターを弾いたり、洋服を作ったり絵を描いたり…そんなクリエイター気質の女優のんさんは、戦時下の主婦であるすずをどのように演じたのでしょうか? 次回は苦労した「広島弁」と「役作り」について伺います。
【のんさんインタビュー(全4回)】
(予告編 )
■『この世界の片隅に』公開情報
2016年11月12日(土) 全国ロードショー
原作:こうの史代『この世界の片隅に』(双葉社刊)
監督・脚本:片渕須直
出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓/澁谷天外(特別出演)
音楽:コトリンゴ
公式サイト:http://konosekai.jp/