Filmers

良質な作品セレクトで定評のある渋谷のミニシアター『アップリンク渋谷』の作品をオンライン上で鑑賞することができる『アップリンク・クラウド』が１１月２日スタートした。インターネットに繋がっていればスマホやタブレット端末などで観ることができるこのサービス。地方在住のため渋谷の劇場まで足を運べなかった人、スケジュールを調整している間に上映期間が過ぎてしまって悔しい想いをした人にとっては朗報だ。

さらに、映画制作者にとっても作品を観てもらう機会が増えるチャンスになる。また、ミニシアター運営者にとって多様な販売チャンネルを持つことは経営安定の一助になり、三者にとって良いことづくめだ。

アップリンク渋谷を運営するアップリンクでは、すでにiTunesやNETFLIXで自社の配給作品を配信しているが、なぜ今回、独自サービスを立ち上げることになったのか、アップリンク代表・浅井隆氏のコメントをベースにインタビュー形式で紹介する。

ーなぜ『アップリンク・クラウド』というサービスを立ち上げるコトに？

アップリンクでは、既に iTunes を始めとする既存のビ デオ・オン・デマンド(VOD)に自社の配給作品 を提供してきました。その経験から、既存のVODのプラットフォームでは自分が観たい作品を探すのは容易ではないことがわかってきました。多くのVOD配信業者は、作品1本ずつ内容を観ることなく、データとしてできるだけたくさんの作品をプラットフォームに集めることをビジネスとしているためです。そこで『アップリンク・クラウド』は単に作品数を増やすのではなく、VOD 界のミニシアター的マインドで作品を編成し個々の作品の宣伝も SNS を中心として行っていきます。

ー既存のVODの場合、目立つのは大手配給会社の作品たちなので、結局、ミニシアター系作品は埋もれてしまいますからね

『アップリンク・クラウド』はその現状を踏まえつつ、ミニシアター系VODというプラットフォームを作ろうということです。今回ローンチする『アップリンク・クラウド』は奥渋谷で運営して今年で10年目になる『アップリンク渋谷』の編成コンセプトをネットに持ってきた”オン ライン・セレクトシネマ”です。

ー渋谷へ行くことができない、タイミングが合わず鑑賞チャンスを逃した！という人にとっては嬉しいサービスですね。

今後は、劇場と同時配信、ネットオリジナル作品なども開発し、次世代の映画の鑑賞スタイルを提案していきたいと思います。

劇場公開している作品をネットでも同時配信するのは、小回りの効くミニシアターならでは。『アップリンク・クラウド』では、オープン記念として期間限定割引プロモーションコード発行中だ。スペシャル特典映像付の『マンガをはみだした男 赤塚不二夫』、劇場公開中の『聖なる呼吸:ヨガのルーツに出会う 旅』や DVD 発売前の『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』などが、その対象作品となっている。ぜひ一度、『アップリンク・クラウド』のHPをご覧いただきたい。今後も配信作品のカタログはリアルな劇場とリンクして編成が変わって行くので、定期的に訪れて、気になる作品があれば劇場やスマホで鑑賞してみてはいかが？

『アップリンク・クラウド』のHP＝ http://www.uplink.co.jp/cloud/