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人気作家・津村啓こと衣笠幸夫（本木雅弘）は不倫相手と密会中に、妻を不慮の事故で亡くし、悲しみを表に出せないでいる。そんな中、同じく遺族である妻の親友の夫（竹原ピストル）とその子供達と出会い、虚しかった毎日が輝き始めるのだが――

『ディア・ドクター』や『夢売るふたり』など、常にオリジナル脚本を書きおろし、その手腕を高く評価されてきた西川美和監督が、直木賞候補にもなった自身の小説を映画化した『永い言い訳』。今回は、その公開を記念して開かれたイベントレポート第2弾です！

「義理の母親をやらせて頂いております樹木希林です」と登場した樹木さん。「身内が呼ばれるということは、よほどお友達がいない俳優なんだなと駆けつけて参りました」と続け、娘婿である本木さんイジりに会場は大爆笑。

樹木希林さんの登場にテンションが上がった様子の本木雅弘さん

「題名がこちら（本木さん）にこんなにピッタリくるのは初めてですね。こちらね、利休みたいな人なんですよ。例えば物を1つ置くのにも、畳の目の一目違うところに置いても気持ちがざわっとするんですって。そういう生活をして苦しくないかなと思ってたら、とんでもない、これが楽しみなのだと『永い言い訳』をする。相手の気持ちは考えない。そういう人ですから、この映画で、いい意味で50歳から俳優としてほころび、破けていく…そのほころびのところを西川監督に積んでもらったという感じがしますね」（樹木さん）

（ｃ）2016「永い言い訳」製作委員会

思わぬプライベートの暴露に本木さんはもう笑うしかない！？　会場が笑いに包まれたところで、トークは次のコーナーへ。この映画は家族や夫婦にまつわる物語であることから、結婚や恋愛に関するお悩みを公募し、お三方が答えていったのですが、ここでも“希林節”が冴え渡ったのは言うまでもありません。

1つ目の相談は、人を見る目がないことに悩んでいる28歳女性のお悩み。「いままでお付き合いしてきた方は何人かいますが、最後はいつも相手が浮気をしたり信じられない行動に出て私から別れを告げるといったパターンが多いです。やっぱり私には見る目がないのかと思って以来、恋愛から遠ざかってしまっています」

人を見極めるにはどう目を養えばいいのかという質問に、まず樹木さんが「そういう人に出会うということは、自分もそういう部分があるということ。別に見る目が無いんじゃなく、お互いに引き合っているんじゃないですかね。人の性格は一生、変わりません」とバッサリ。

それを受け、「自分が同じものを持っているからその人に惹かれるんだということは、裕也さんの中に自分を見るわけですね？」と尋ねる本木さんに、樹木さんは「いや、そっくりです。表向きは向こうが破天荒で、私が一生懸命尽くしているように見えますけれども、破け具合は私のほうがすごいですよ」と答え、さらに「ゲリラですよね、ふたりとも（笑）」と応戦する本木さんとのやり取りで、会場を爆笑の渦に巻いていました。

一方、妻である内田也哉子さんのどこに惹かれたか尋ねられた本木さん。

「こういう風に素敵だっていうことよりも『何なんだろう？』っていう。とても若いけど、若いなりに達観しているというか、老成しているというか。またある種“無性性”というか、女性というものが見えたり見えなかったりする。そういった色んな意味での“得体のしれなさ”というのが、惹かれたポイントだったかな」（本木さん）

それを受け「人は誰でもが反対しますよね、あそこのうちと結婚するって言うと」と前置きし、またしての会場の笑いを誘った樹木さん。

「本木さんはこういう家族の中に入って、そこで自分がかき回されて、別のものを見たいっていうところもちょっとあったんじゃないかと思うのよ。自分に対してナルシストというところも含めて。確かに子供が3人あってその中で格闘しているけれども、そのほころびというのはまだまだ。だからこの映画は、すごくいいチャンスだったなと思いましたね。うちだけでも引っ張り出せなかったものが垣間見えてきて」（樹木さん）

「私だって樹木さんにも妻にも見せていない顔というのはありますよ！」と答えた本木さんですが、映画『永い言い訳』の中で果たしてどんな顔を見せてくれるのか、ますます楽しみになります！　

まだまだ続く爆笑のお悩み相談、次回のレポートもお楽しみに！

【「永い言い訳」トークイベントレポート（全４回）】
（１）妻が死んでも、ちっとも泣けない…そんな夫はクズですか？
（２）私には男を見る目がないの？　樹木希林さんの答えとは？
（３）『永い言い訳』の撮影現場で発覚！本木雅弘の“家事スキル”はハンパない！？
（４）不倫してしまいそう…どうしたら？ ３人が出した答えとは？