監督自身が荒唐無稽と思っていたシーンが事実だったコトが判明!

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福山雅治さん主演の映画『SCOOP!』では、各キャラクターごとの仕事への向き合い方もしっかりと描かれています。脚本も担当した大根監督自身が「さすがにこれは荒唐無稽だな」…そんなコトを思いながら撮影したシーンが…じつは、実際によくある“作戦”だったことが判明!? そのシーンとは?

 

 

■滝藤賢一さんのあのシーンを作ってから急に面白くなった

 

――編集部の副編集長・馬場を演じた滝藤賢一さんが、警察と容疑者が現場検証している場所で、信じられないような行動を起こすというシーンがあります。あれは実話だったという話がプレスシートに書かれていますが・・・

そうそう。でも実は後から知ったんですけどね。

 

――そうなんですか!?

脚本の第3稿ぐらいまでは馬場ちゃんはあそこにはいなかったんだけど、でもそのバージョンの方は全然面白くなくて。で、もう一回頭から書き直している時に「あれ、ここに馬場ちゃんが来たらどうなるんだっけ?」みたいなことを思って。

 

来たってことは何か手伝うんだから何をやるかな…。そうか、この2人は昔コンビだったんだ…。ということは、今回ここでもまた何かやるぞ。ラグビーとか面白いかもしれない…。

 

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そう思って書き始めたら急に面白くなって、一気に後半の流れも全部できて「ああ、できた!」という感じになったんで。それは別に“何か降りてきた”とかそういうことじゃなくて、考えていたら思い浮かぶっていうことなんですけど。

 

 

――まずは監督の頭の中で生まれたキャラクターだったんですね。その人物が実在したことを知ったきっかけは?

やっぱり現場ああいう事をやる作戦は、昔からよくあったらしいんですよ。で、現場で(報道カメラマン)不肖・宮嶋さんと話した時に「よく知っていますね、この話」って言われて。

 

――まさか実在するとは!?

そうそう。でも、いくらなんでも荒唐無稽だと思っていましたよ、書いている時も撮っている時も(笑)。あそこはある種のギャグシーンとして描いていたので。

 

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■働く人に共感してもらえる部分はあるのでは

 

――この映画はひとつの“お仕事映画”として観られると思うので、監督の仕事観も伺いたいのですが・・・まず、階段で静と文芸編集の塚本さんがやり取りするシーンですが。

はい、“分かりやすい階段演出”の部分ですね(笑)。あの設定は、塚本さんは昔「SCOOP!」にいて、吉田羊さん演じる定子が好きでちょっかいも出していたんだけど、定子は静に行って。だから静に対する嫉妬心とかがものすごくあるわけですよ。女性より男の嫉妬の方が怖いじゃないですか。だからそういうのも含めて「自分は今は出世コースに乗って社会的にもお前より上にいるよ」ということを何かね、言ってみたくなったんじゃないですかね(笑)。

 

それは静も言われた時に、 こいつはこういうつもりで仕事を振ってきているということを察したんじゃないですか?別にカメラマンとして俺を認めているわけじゃなくて、ある種のマウントを今取ろうとしているぞということを。

 

――監督の考える「いい仕事」って何ですか?

どうですかね、求められていること以上のことを返すってことじゃないですかね。

 

――静の台詞でもあったように、“高尚な”仕事とそうではない仕事の線引きなどは感じたりしますか?

ああ、そこの差別は何もないです。自分としては別にそこの差はないと思いますけど、まあ業界で言えば、ディレクターになって最初の10年とかはいろんな“ドブ板仕事”のようなことをいっぱいやってきたし、急に映画監督になった訳ではないので。

 

――なるほど。静が感じていた鬱屈した部分も経験としてはおありで、両方の感覚をお持ちだということで。

そうですね。

 

――最後にFilmers読者にメッセージをお願いします!

いつも映画を撮る時は、それまでにない新しい邦画を作るっていうことを意識しているんですけども、『モテキ』とも『バクマン』ともまた違った、新しいタイプのエンターテイメント映画ができたんではないかと思います。

 

それにこれまでの『モテキ』、『バクマン』というのは10代、20代、30代ぐらいをメインのターゲットにしていたんですけど、今回はもうちょっと上の40代、50代といった、仕事をしてきた人には全員何か染み渡るものがあると思います。色んな要素がありますけど、仕事映画としては、働く人がみんな共感してもらえる部分はあるのではないかなと思います。

 

 

【大根仁監督インタビュー(全4回)】
(1)福山雅治がパパラッチに!『SCOOP!』大根仁監督インタビュー
(2)『モテキ』『バクマン』『SCOOP!』大根監督が編集部を好む理由
(3)福山雅治×二階堂ふみ『SCOOP!』と『プラダを着た悪魔』の意外な関係
(4)監督自身が荒唐無稽と思っていたシーンが事実だったコトが判明!

 

■『SCOOP!』公開情報

2016年10月1日 全国ロードショー

監督・脚本:大根仁

原作映画:『盗写1/250秒』(監督・脚本:原田眞人)

出演:福山雅治、二階堂ふみ、吉田羊、滝藤賢一、リリー・フランキー

音楽:川辺ヒロシ

主題歌:『無情の海に』TOKYO No.1 SOUL SET feat.福山雅治

公式サイト:http://scoop-movie.jp/

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