福山雅治×二階堂ふみ『SCOOP!』と『プラダを着た悪魔』の意外な関係
写真週刊誌『SCOOP!』に配属されたばかりの新人記者・行川野火(二階堂ふみ)とカメラマンの都城静(福山雅治)との凸凹コンビによる噛み合わないやりとりも魅力となっている映画『SCOOP!』。脚本も手がけた大根仁監督によると『プラダを着た悪魔』を参考にしたという。それはいったいどういうことか?
■取材してだんだん肉付けしていった行川野火というオリジナルキャラ
――二階堂ふみさん演じる行川野火の「野球で例えられてもわかんないんですけど!」という台詞は、監督の実体験ですか? それとも創作?
あれは実体験ですよ(笑)。俺はあんまり“ものの例え”みたいなものは言わないようにしているんですよ。それは例えであって本質じゃないよねってことは多いじゃないですか。それで例えられても…と(笑)。
まあ、とかくおじさんは野球とかゴルフとかスポーツに例えるのは何でだろうなっていうのは前から思っていたし、20代の子とかと話していると「おじさんってなんであんなに野球に例えるんだろうね」みたいなことは前に聞いたことがあって、「そうだよね」と。
――あのやりとりは何度か出てきますが、まさに二階堂さんのキャラクターとフィットしていました!
ハハハ、でもいますよね、「よーし、今回のプロジェクトは全員野球で行こう!」みたいな。何だよ“全員野球”って、野球じゃねーだろっていう(笑)。
――行川野火はオリジナルキャラですが、どうやって作り上げたのですか?
原作の野火ちゃんはカメラマン志望で現場に来た人の話なので、もうちょっと意思がはっきりしているというか、ちょっと構造が違っていて。でも今回は、ある種の凸凹コンビ物にしようと思ったので。凸凹コンビ物っていうのは、見た目も性格も違うし目的も違う、モチベーションも違うっていうか、差があったほうが面白いんですよね。
取材した時に参考にした新人の子もいて。フライデーにいた、ある女性編集者は、もともと漫画オタクで、漫画がやりたくて講談社に入ったのにフライデーに配属されて「何で私が芸能人張り込まなきゃいけないの?」みたいなことを思っていたらしいんだけど。
で、現場に行けばセクハラする記者もいれば面倒くさいオッサンカメラマンもいて最悪と思っていたけど、その子はジャニヲタでもあったので、記者たちが判別できない(ジャニーズ・)ジュニアの子が全部わかったらしいんですよ。で、「あれです、あれ撮ってください」みたいな。それで「私向いているかも」というふうに思ったみたいな話で(笑)。そんなことを取材しながら聞いて「なるほどな」と。
――そのエピソードは、別の形で描かれていましたね。
やりたくもないのにこの『SCOOP!』っていう雑誌の編集部に配属されたっていう設定はなんとなく考えていたんですけど、そこから取材してだんだん肉付けしていったという感じですかね。あとは『プラダを着た悪魔』って映画が僕は大好きなんですけど、あの映画の構造もちょっと意識してみたっていうか。
――できない編集者が一人前になっていくという?
そうそう。で、“嫌な上司”というメリル・ストリープがいて。
■監督が「最初から100%信頼している」と言う二階堂ふみという役者
――二階堂ふみさんの印象は?
ふみちゃんはもう最初から100%信頼しているんで。
監督も絶賛する二階堂ふみさんの魅力を感じに、ぜひ劇場へ! 最終回の次回は「お仕事映画」としての側面についてお伺いします!
【大根仁監督インタビュー(全4回)】
(1)福山雅治がパパラッチに!『SCOOP!』大根仁監督インタビュー
(2)『モテキ』『バクマン』『SCOOP!』大根監督が編集部を好む理由
(3)福山雅治×二階堂ふみ『SCOOP!』と『プラダを着た悪魔』の意外な関係
(4)監督自身が荒唐無稽と思っていたシーンが事実だったコトが判明!
■『SCOOP!』公開情報
2016年10月1日 全国ロードショー
監督・脚本:大根仁
原作映画:『盗写1/250秒』(監督・脚本:原田眞人)
出演:福山雅治、二階堂ふみ、吉田羊、滝藤賢一、リリー・フランキー
音楽:川辺ヒロシ
主題歌:『無情の海に』TOKYO No.1 SOUL SET feat.福山雅治
公式サイト:http://scoop-movie.jp/