『モテキ』『バクマン』『SCOOP!』大根監督が編集部を好む理由
『モテキ』『バクマン』…そして今回の『SCOOP!』も含め…編集部を舞台にした作品が続く大根仁監督。その舞台設定にこだわりはあるのでしょうか?
■編集部という“雑多な”社会の描き方
――今回の『SCOOP!』もそうですが、これまでの『モテキ』『バクマン』と、どの映画も“編集部”が舞台です。その編集部を描く上での魅力は?
全然意識しているワケじゃないんだけど、なぜか続いていて。次の映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』もライフスタイル誌の編集部が舞台なので、また編集部モノなんですけど。
まあ、自分の中で社会や会社というものを描く時に非常にやりやすいというか。というのは、制服とかスーツがあるようないわゆる一般の会社だと、画的にも単一的になってしまうし、まあ作品もそうですけど根が雑多というか、いろんなものがゴチャゴチャしているものが好きなんで。
そういった意味において編集部っていうのは、いる人のファッションとか見た目もバラバラだしやっている作業も部署によってバラバラで、必然的に編集部そのものはゴチャゴチャした雑多な感じになる。そういう所での映像的な面白さも含めて、やりやすいんだろうなとは思っていますけどね。
――今回、作品を作られるにあたって実際に編集部を取材をされそうですが、これまでも『ナタリー』や『週刊ジャンプ』編集部も取材されて来て、あらためて今回、写真週刊誌の編集部を取材されて新しい発見はありましたか?
実際に張り込み班に付いたりもしていたので、スゲー大変な仕事だなっていうか、とにかく待ち時間が長い!(笑)。
劇中の台詞でもありますけど、この仕事は世間とか芸能界から見れば「ゴキブリ以下、ドブネズミ以下」みたいなことは、確かに本人たちも自覚している。それでもスキャンダルってみんな好きだし、常に世間の話題の中心になるワケじゃないですか。それを作り上げているというプロ意識みたいなものとか、さらに言えばエンターテイメント性みたいなものは、どの記者もカメラマンもみんなすごく持っていて。
もともと俺は写真週刊誌とかスキャンダルが好きなので、それを撮っている人たちのこともリスペクトしていますけど、取材してなお「ああ、共感するわ!」という感じでしたね。どうせ撮るなら面白い記事にしたいし、むしろいい写真を撮ってあげたい、みたいな(笑)。
――すごく体育会系なノリが『SCOOP!』にはありますね。
僕もいろんな編集部に出入りしていますけど、編集部にはやっぱり雑誌のカラーって出るんですよね。やっぱりファッション誌はみんなおしゃれでシュッとしているし、ああいう総合週刊誌みたいなところに行くと、雑多なノリや体育会系なノリもあるし。でも、ああいうメディア全体には、なんか体育会系な匂いはいつも漂っている感じありますけどね。完全なる文化系ではないなという。
――そういうノリは写真週刊誌は強かったという印象?
そうですね。あとはもともとテレビもやっていたんで、ちょっと昔のテレビ業界のノリとかとも似てる部分もあるなと、昔のことを思い出して描いてみたりしました。
次回のインタビューでは、新人記者役の二階堂ふみさんについて伺います!
【大根仁監督インタビュー(全4回)】
(1)福山雅治がパパラッチに!『SCOOP!』大根仁監督インタビュー
(2)『モテキ』『バクマン』『SCOOP!』大根監督が編集部を好む理由
(3)福山雅治×二階堂ふみ『SCOOP!』と『プラダを着た悪魔』の意外な関係
(4)監督自身が荒唐無稽と思っていたシーンが事実だったコトが判明!
■『SCOOP!』公開情報
2016年10月1日 全国ロードショー
監督・脚本:大根仁
原作映画:『盗写1/250秒』(監督・脚本:原田眞人)
出演:福山雅治、二階堂ふみ、吉田羊、滝藤賢一、リリー・フランキー
音楽:川辺ヒロシ
主題歌:『無情の海に』TOKYO No.1 SOUL SET feat.福山雅治
公式サイト:http://scoop-movie.jp/