福山雅治がパパラッチに!『SCOOP!』大根仁監督インタビュー
『モテキ』『バクマン』とヒット作を連発してきた大根仁監督が挑むのは、芸能ネタから社会事件まで追いかけるパパラッチと記者の物語。パパラッチを演じるのは『日本一撮られない男』福山雅治! ポスターは映画内に登場する写真週刊誌の表紙を模していて読み応えのあるデザインに仕上がっている。
10月1日(土)に創刊・・・いや公開初日を迎える「SCOOP!」このスキャンダラスでスリリングなエンタテインメント大作はいかにして生まれたのか? 大根監督に聞いた。
■福山雅治がもし大スターになっていなかったら?
――この『SCOOP!』を作るにあたり、主演の福山雅治さんとはどういったお話をされましたか?
いつも脚本を書く時は、主役は特に、本人の素の部分をキャラクターに当てはめていくっていう作業をやるんですよ。もちろん全部じゃないですけど、それを自覚しているかいないかは置いといて、どこか本人が持っている部分を役にはめていくみたいな。
だからまず脚本を書き始める前に本人と2回ぐらい飲んだりして、まあインタビューってほどでもないんですけど、その雑談の中から出てきた「ああ、福山くんはこんなことを考えているのか」ということを当て込んでいったという感じですかね。
――その時に感じた福山さんのキャラクターやパーソナリティはどういうものでしたか?
ベーシックに冗談好き、下ネタ好きみたいな“九州のアンチャン”的な部分はあるんだけれども、もう一つちょっと思ったのは、この人は今では誰もが知る大スター福山雅治ではあるが、何か掛け違いがあったら、この大スターにならないもう一つの人生があったのかもしれないなということで。
つまり“大スター”福山雅治にならなかった福山雅治が、46歳になってたらどうなっていただろうということはイメージして考えましたね。すごく腕はいいんだけどいろんなことがだらしないギタリストとかね(笑)。そういうふうになっていたかもしれないなとか。
――福山さんご自身もしっくり来たと思うのですが、キャラクター作りにおいて何か現場でのやりとりはありましたか?
すごく楽しそうに演じていたので、本人もこういうものがやりたかったんだと思いますけど、俺が思っていた以上に役作りにはすごくストイックでしたね。
「役」については、監督と役者のどっちが考えているかというと、俺は役者の方が考えているような気がしていて。だから、さすがに全然違う方向性のものは否定しますけど、役者が持ってきたキャラクター造形や台詞の言い方っていうものは、なるべく受け入れるようにはしているんですよ。
それが今回の福山くんの場合はすごく的確で、いろんな面で自分の方が気付かされることが多かったですね。「都城静」っていうのはこういう人間だということが。「ああ、こういう行動をするのか」とか「ここまで下ネタを言うのか」とか(笑)。
――ストリップバーで巨乳のウエイトレスとの絡みは、演出なんですか? それともアドリブですか?
アドリブですね。まあちょっと胸を意識するような動きをしてくださいとお願いしたら「わかりました」と言って、そして本番がスタートしたらガッと行ったんで、行くなあ!と(笑)。
―― 現実と映画の虚構が一瞬分からなくなるような面白いシーンでしたが、そんな舞台裏があったんですね。
そうですね(笑)。まあ、福山くんのことを、いわゆる世間一般の福山雅治像しか知らない人が観たら、なんかちょっと意外性のあるキャラクターだと思うんですけど、ちょっとでも福山くんを知っている人が観ると、逆にリアルという感じがすると思うんですよね。
――監督が思う世間一般の福山雅治像とは、まっとうな好青年ですか?
そうですね…。理想の上司とかなのかな。優等生か劣等生かで言えば、芸能界では超優等生ではあるんだけれども、劣等生的な部分や不良性みたいなものは、本人のベーシックな部分の中にあるとは思っていました。
次回のインタビューでは、実際に取材に行った雑誌編集部でのエピソードなどを伺います!
【大根仁監督インタビュー(全4回)】
(1)福山雅治がパパラッチに!『SCOOP!』大根仁監督インタビュー
(2)『モテキ』『バクマン』『SCOOP!』大根監督が編集部を好む理由
(3)福山雅治×二階堂ふみ『SCOOP!』と『プラダを着た悪魔』の意外な関係
(4)監督自身が荒唐無稽と思っていたシーンが事実だったコトが判明!
■『SCOOP!』公開情報
2016年10月1日 全国ロードショー
監督・脚本:大根仁
原作映画:『盗写1/250秒』(監督・脚本:原田眞人)
出演:福山雅治、二階堂ふみ、吉田羊、滝藤賢一、リリー・フランキー
音楽:川辺ヒロシ
主題歌:『無情の海に』TOKYO No.1 SOUL SET feat.福山雅治
公式サイト:http://scoop-movie.jp/