「映画 聲の形」原作ファン レミオロメン・藤巻亮太 特別寄稿『生きるのを手伝いあうこと』

 
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「映画 聲の形」は9月17日に公開され、決して多くない全国121館での公開であるにも関わらず公開3日間で興収4億1113万円を記録。新作の大作が公開されるなか、今週の興行ランキングでは「君の名は。」についで2位という好発進となった。この数字は、累計発行部数250万部の大ベストセラーとなっている原作ファンが劇場に駆け込んだことが容易に想像できる。

そんな原作ファンのひとりレミオロメン・藤巻亮太さんが、映画版を鑑賞した感想をコラムとして特別寄稿してくれることになった。FILMERSでは、これを独占配信します。

ご本人は、この依頼を聞いた時に「絶対にやりたい!!」と即決だったそう。作品への熱い思いに反して、少し冷静な印象の文章になっているのは「本当に好きな作品だからこそ」とのこと。
「聲の形」への思いの丈を綴った特別コラム、是非お読み下さい!
 
 
 
 

生きるのを手伝いあうこと

 

 友達に勧められて、原作を読んだのはツアー中。新幹線で、飛行機で隣のスタッフに泣いてるのを気づかれないように窓の外を眺めてみたり大変でした。
今年チベットを旅したことも影響してるだろうか。かじっただけだけど、チベット仏教の教えはカルマそのもの、善因善果、悪因悪果。「聲の形」の世界にも通ずるものを感じた。
 
 物語は主人公、石田将也と耳の聞こえないヒロイン西宮硝子を軸に、恋の話としても引き込まれる。
そういえば鯉のシーンが効果的に使われていて美しくも息苦しい。しかし、物語はそれだけでは終わらない。
回想シーンでは、逆再生のサウンドに誘われるように小学生の頃のイジメの痛みが蘇る。
そして、未だに癒えない傷を抱える高校生となった現在の心境とを行き来しながら展開していく。
 
 こう思われたい理想の自分と、他人が思ってる自分とのギャップに悩んだり。相手のことを知りたいと想えば想うほど、その人のことが分からなくなったり、登場人物の葛藤に自分を投影してしまう人は少なくないだろう。 耳が聞こえるからといって、人の心の声まで聞こえる訳ではない。
むしろ、相手の声を聞いているようで聞いておらず、相手の存在を見ているようで見ていないままに日常を暮らしている僕達を、作品は鋭く映し出しているのかもしれない。
 
 そして、人と関わることで互いの孤独が癒されていく様に、人と関わっていく勇気について温かく物語は迫ってくる。
 
 
 
 
 
 
 
【藤巻亮太プロフィール】
2000年12月、小学校からの同級生3人で「レミオロメン」を結成。2003年、ミニアルバム「フェスタ」でデビュー。
特に「3月9日」、「粉雪」は、世代を超え支持され続けている代表曲である。
2012年、レミオロメンの活動休止を発表し、ソロ活動をスタート。
2016年3月23日、約3年半振りとなる待望の2ndアルバム「日日是好日」をリリース、最新曲「go my way」も好評配信中。
10月には、 「SPECIAL LIVE ~秋祭編~」と題したライブを開催
 
 

「藤巻亮太 SPECIAL LIVE 2016 ~秋祭編~」
10/1(土) 奈良・橿原市立かしはら万葉ホール ロマントピアホール
10/2(日) 滋賀・伊吹薬草の里文化センター ジョイホール  【SOLD OUT!!】
10/15(土) 東京・赤坂BLITZ

 
藤巻亮太が、友人4人とともに写真展「FUN展」開催!
「FUN展」
 開催期間:11月11日(金)〜17日(木)
 時間:平日10:30〜19:00 / 土日祝 11:00〜17:00 (最終日は14:00まで)
 会場:富士フォトギャラリー銀座

    入場無料

 
 

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