試写会で竹内結子さんに「めちゃくちゃ怖い!」と怒られました『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』撮影秘話 中村義洋監督インタビュー
怖いものを求めていってもなかなか心霊現象は起きない。そこから得たのは「怖さの演出」。そんな中村監督の体験談についてお聞きした前回のインタビュー。最後となる今回は、撮影現場の裏話、そして『残穢』おススメの見方についてお聞きしました。
■竹内さん迫真の演技はドッキリだった
――撮影中、印象に残ったシーンはどこですか?
最後に竹内さんが、電話を受けるシーンがあるんですけど…そこで電話の声を聴いて瞳孔が開く場面があるんですよ。普通だったら瞳孔が開くなんてのは、合成でしか表現できないんですよ。でも竹内さんは怖がりだから本当にそれぐらい驚いちゃって。そこは印象に残っています。
――そんなに驚いちゃったんですか?
実はそのシーン、テストまでは、軽い感じの声でテストしてたんですけど、本番になると怖い声に入れ替えてやったんです。
――ドッキリだったんですか?
はい。本人もウワッてなってましたね。ちょっと怒ってました。でも、僕はそこで監督として「竹内さん、竹内さんの役は、そんなリアクションを取るキャラじゃないでしょ」って言って。結局そのシーンは3回ぐらい撮ったのかな。そうやって生まれたシーンでした。
――いまのはドッキリのお話でしたが、実際に怖いことは起こらなかったんですか?
それがないんですよね。思い返すと、羽田のセットに行ってるときに、車に見たこともないぐらいのカラスの糞が落ちていたぐらいですかね。恐竜?始祖鳥?っていうぐらいのすごい糞でした(笑)。
――ある意味すごく怖いですね(笑)。ちなみに映画の中で祟りを受ける人物と受けない人物がいますが、その違いってあるんでしょうか?
どうなんですかね。霊感のあるなしじゃないですかね。僕はそういう霊感とかは全く信じてないんですけどね(笑)。
――監督は信じてないんですか
そうですね。霊界とかはあったらいいなという感じですね。あって欲しいなというか。
■試写でボロボロに泣いていた竹内さん
――映画が公開されてからの反響はどうでした?
関係者の方からは、怖くて怒られるみたいなことはありました。「ちょっと!怖いじゃないですか!」という感じで(笑)。どうやら宣伝関係の方々は、もっとミステリーとして売り出していくイメージだったみたいですけど、想像以上にホラーだったといか、怖かったそうですね。そのリアクションは嬉しかったです。
――確かに最高の反応ですね
あと竹内さんも、試写のあと、泣きながら、腰を抜かせて出て来られた感じでした。「めちゃくちゃ怖いじゃないですか!」って。僕はニコニコしちゃいましたね(笑)。
■見る時はドアを少し開けて
――最後にこれをDVDで見られる方々にメッセージをお願いします
怖い映画ってどうしても、その時点で見ない人もいらっしゃるんですよね。そういう方たちには何人かで集まって楽しんでほしいです。あと、怖い映画が好きな方には、ぜひとも1人で見て欲しいなと思います!
――どんな環境がおススメですか?
ヘッドフォンをつけて、もちろん夜に見てほしいです!あと近くのドアをちょっと隙間開けて見るとかするといいと思いますよ(笑)。
【中村義洋監督インタビュー】
普通のホラーと全然違うから怖い...夏の終わりにオススメのホラー
テーマについて何か響くものがないと基本的には断っています
撮影があまりに怖いので、心霊スポットの噂がないところをロケ地に選んだこともあった
試写会で竹内結子さんに「めちゃくちゃ怖い!」と怒られました
■「残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-」ブルーレイ&DVD情報
監督:中村義洋(最新作「殿、利息でござる!」が公開中)
原作:小野不由美(新潮文庫刊)
脚本:鈴木謙一
出演:竹内結子、橋本愛、佐々木蔵之介、滝藤賢一 ほか
公式サイト:http://zang-e.jp/
発売元:ハピネット
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