ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016 アワードセレモニーレポート(前編)
華やかなレッドカーペットイベントのあとは…おまちかね!アワードセレモニーの開幕です。順次、各部門の受賞作品が発表されてゆきます。Filmersでは前編・後編に分けてご紹介してゆきます。
■「ひかりTVアワード」
まずは、ジャパン部門にノミネートした中で最も“4K”の魅力を伝えることができる監督に贈られる「ひかりTVアワード」の発表。受賞監督は、4KオリジナルショートフィルムをNTTぷららとともに製作することになっています。受賞したのはA.T.監督の『ソシオパス』。
街でアンドロイドと出会った少女は「ある事」を伝えるために後をつけていく…というミステリーです。主にCMの映像制作に携わるA.T.監督は、NTTぷらら代表取締役社長の坂東浩二氏よりトロフィーを授与され「うれしいです」と言葉少なに喜びを表現。プレゼンターの斎藤工さんは以前、一緒にお仕事をなさったことがあるそうで、「個人的に作られている作品を拝見して、その映像美に驚いた記憶があります」と話し「(作成予定の4Kオリジナルショートフィルムを)観るのが今から楽しみです」と笑顔で握手をかわしていました。
■「Brillia New Luxuryアワード」
「Brillia New Luxuryアワード」は、東京建物の「Brillia」ブランドにまつわる賞で、受賞監督にはBrilliaブランド・プロモーション映像の製作権利が付与されます。選ばれたのは2作品。ひとつめの『アナザー・ティー』(古波津陽監督)は、両手にやけどをしてしまったおばあちゃんが茶道経験のほとんどない孫娘に無理やりお手前をさせるドタバタコメディ。『思いやり』(ブラミール・ビスカーヤ監督)はコロンビアの作品で、街の人々の欲しいものを毎日メモしては持ち帰り、人々の手助けをしている男の物語です。登壇した古波津監督は「お茶室の中だけで映画を撮りたいと言ったのがきっかけで、こんな広がりを展開するとは思ってもみませんでした」と喜びのコメント。
プレゼンターのLiLiCoさんは、『思いやり』は「観ていてとても優しい気持ちになる」、『アナザー・ティー』は「日本の古き良きお茶の文化を、ユーモアと、そして皮肉もあって(笑)」と楽しくご覧になったよう。「オリンピックに向けておもてなしで日本人は盛り上がっているんですけど、「思いやり」があって初めて素晴らしいおもてなしができるんじゃないかなと思って、このコンセプトにピッタリの2本だと思います」(LiLiCoさん)
※受賞作品は7/1からBrilliaの公式サイトで公開されます。
■ブランデッドショート レコグニションアワード
今年新設された「ブランデッドショート レコグニションアワード」を受賞した作品は、ネスレ日本製作の『Life is…』。監督は当イベントのオフィシャルカメラマンでもあるレスリー・キーさんで、MCの知英さんも出演しています。
映像を撮るのは初めてだったというレスリー・キーさんは「日本が大好きなので、京都を選んで、外国人として見た京都を描いた。忘れられない撮影になったし、何より知英が頑張りました。ちなみにこの映画は、世界中の人に見てもらいたいので、出演する日本人もみんな英語で話している」と、作品に込めた思いを語りました。
受賞作品はコチラ!(↓)「前編」「後編」に分かれています。
※同作はネスレシアターonYouTubeで配信中です。
■CGアニメーション部門優秀賞
新鋭CGクリエイターの最新作が集結するこの部門の優秀賞は『アイスコーヒー(Cold Coffee)』(フランソワ・ルロワ監督)。サイゴンに暮らす少女は母親を亡くし、学校をやめて家業の喫茶店を継がなければならなくなった。右も左も分からない生活と寂しさが一度に降りかかり、幼い心は混乱し始める――というアニメーション。プロデューサーのペリーヌ・カプロンさんが登壇し、「このような賞をいただき本当に嬉しく思っています。アリガトウゴザイマス。このフェスティバルに呼んでいただき、非常に素晴らしいおもてなしも受けました」と、監督にかわり審査員と観客に感謝を述べました。
続いて審査を担当されたモデルの秋元梢さんなどが登壇。「いろんな作品を見たんですけど、すごく国柄が出ていること、CGだからこそできる可能性に気づいて、すごく素敵な経験をさせていただきました」(モデル・秋元梢さん)。
「CGのアニメーションにはコメディやエンタメに長けているものが多い中、この作品はサスペンスやホラーというとても難しいジャンルに挑戦しているなと思いました。また、キャラクターもフランスのコミック的な造形で、アジアを舞台にしたということも興味深く、ファンタスティックな作品です」(映画監督・さとうけいいちさん)。
「今年は例年にも増して、我々に警鐘を鳴らすような、現代人や現代文化に批判的な作品が多かったと思います。受賞作品は心がえぐられるような気持ちになります。実写ではできないCGならではのいろんな表現がありますので、それを使った見たことがないような作品を観ていきたいと思いますし、世界中からCG作品が集まるようになり、それぞれの国の文化が反映されて非常に豊かな作品になってきていますので、来年も期待したいと思います」デジタルハリウッド大学学長・杉山知之さん)
次回はいよいよオフィシャル部門受賞作の発表をレポートします! ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016は6/26(日)まで開催中です。もちろん、オフィシャルコンペティションの受賞作品も上映中! 詳しい上映スケジュールはこちらまで!