最近の映画には「色」が少ない 『虎影』西村喜廣監督(4/4)
思春期に「スターウォーズ」「ブレードランナー」「未知との遭遇」を観て影響を受け、特撮の道を志したという西村監督。最終回も前回に引き続き…日本の映画界に感じる疑問点についてのお話をご紹介! そして…主演・斎藤工さんについてのお話もちょっぴり…。
■最近の映画には「色」が少ない
―――他に子ども達にココをぜひ観て欲しいというところは?
僕は作品の中に出てくる「目なし」というキャラクターが1番好きなので、ぜひ注目して欲しいです。あとは、何て言うか、映画の「色」っていうものを感じて欲しいなあ。
―――色とは?
最近の映画って色が少ないものが多いと思うんです。例えば、「銀残し」っていう手法で全体の色をちょっと脱色系にするとか。それで良い雰囲気になったりするんだけど、僕はもっと色味を感じて欲しいと思うんです。実際、『虎影』の中では色をたくさん使っています。コンテを書いているうちから、ここは赤とか、ここはオレンジとか、キーとなる色は全部設定しました。シーンごとに考えながら最後まで飽きさせないようにって。
―――確かに、シーンごとに色の印象が強く出てますね
やっぱり映画は観るものですから、色は大事だと思います。特に理由もないのに、なんとなくかっこよく見えるからって色を少なくするのはもったいないです。日本映画にはちょっとそういうのが多いなとは思いますね。情報量が少なくなるだけです。
―――色の印象ってすごく残りますもんね
そうですね。あっそうだ、あとは、奥さま方には、“皆さん、斎藤工っていうキャラクターを勘違いしてませんか?”ってことを投げかけたいです。
―――どういうことですか(笑)
いや~、最近の昼ドラとかでは奥様キラーなイメージがありますが、違うんですよと。そういう皆さんが抱いている斎藤工とは違う、より素に近い一面が見られると思います。
■『虎影2』も企画中! そして、ラーメンアクション映画も進行中!
―――そちらも楽しみですね!最後に次回作について教えてください
『虎影2』はぜひ作りたいと思っています。今回のは大きな『虎影』ワールドの中の一部を撮ったばかりなので、まだまだ続きもありますよ。あと、ちなみに、僕が今進めている企画はラーメンものです。ラーメンアクションものです。
―――ラーメンとアクションですか?
ええ、まだ詳しくは言えないんですけど、楽しみにしておいてください。
―――最後に、監督は最近「特殊造型監督」と名乗られていたり、「特殊造型プロデューサー」と名乗られていたりするようですが、何か違いがあるんですか?
元々「特殊造型監督」でやっていたんですけど、『進撃の巨人』に携わったとき、東宝の方に、「監督」と「特撮監督」という2枚の“監督”がいる中、「特殊造型監督」って肩書きだと“監督”が多いと言われて…じゃあ、それならプロデューサーでいこうとなったんです。
―――では今後は「監督」もしくは「特殊造型監督」なんですね
まあ、そういう感じです(笑)。
【編集後記】
観ていると、なんだかすごく懐かしいドキドキワクワク感を感じられる作品です。斎藤さんの演技も、思わず笑っちゃうシーンがたくさんありました!ぜひ家族で楽しめる映画だと思いますよ!
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(4/4)『虎影』西村喜廣監督 最近の映画には「色」が少ない
■「虎影」DVD情報
*ブルーレイ&DVD 1月6日発売
*ブルーレイ:\5,000(税抜) DVD:\4,000(税抜)
*発売元・販売元:ハピネット
監督:西村喜廣
出演:斎藤工、芳賀優里亜、しいなえいひ、清野菜々、津田寛治
(C)2014「虎影」製作委員会
提供:応援団
公式サイト:http://www.torakage.com/