純粋に気軽に楽しめる「忍者」ものをやりたかった『虎影』西村喜廣監督(2/4)
主演の斎藤工さんのウラ話、監督との知られざる深い関係について語られた前回のインタビュー。今回の配信では、作品の随所にちりばめられたカラクリやアクションについてお聞きしました! ハッピーターンを刀に見立てて熱っぽく語ってくださいましたよぉ
■斎藤工へのゆるぎない信頼
ーーー作品の中には忍者アクションを始め、ギャグ的な要素も出て来ますが、その辺の感性も合うんですか?
そうですね。波長も合うと思います。それにプラスして勘が良いからアクションもかなり動けるんだと思います。
ーーーお話聞いてると斎藤さんへの信頼感が伝わってきますね
実際、『赤んぼ少女』以降、僕の映画にはだいたい出てくれてます。その積み重ねによる信頼感も大きいですし、工が演じたらこうなるなって僕の方も想像しやすいです!
■普通の映画のアクションとは違う「忍者アクション」
ーーー忍者同士の戦いといい、アクションでの迫力もすごいんですよね。
今回、コンテを僕が1200か1300カットぐらい、芝居部分含めて全部書いたんですけど、細部のアクションの部分は本当にアクション監督を中心に、どういう手数にするかとか、一か月ぐらい前からずっと練習しっ放しでした。
ーーー「忍者」っていう部分は、普通のアクションとは変わることも多いんですか?
多いですよ。例えば、普通、刀を持つときって、刃先が上を向くように持つじゃないですか。それを忍者は逆手で持つんです。
ーーーへぇ~、忍者は逆手なんですね
そうなんです…僕は忍者博士じゃないので歴史的な見解は知らないんですが、たぶん忍者は暗殺を任務にしていたので、接近戦や狭い所での戦いが主だったんじゃないかと思うんですね。なので忍者は刀を逆手に持つ。普通とは逆です。だから演者のみんなにとっては、普段の殺陣とは、刀を振るときも受けるときも違いますし、とにかく1か月めちゃくちゃ練習してました!
ーーー激しそうですね。みなさんついていけてましたか?
そうですね。幸いケガなどはなかったですし、我々もそこは考慮しながらやってましたから。ただ、練習中はみんな特殊な動きも多い分、肉離れしてましたね(笑)。でもそれも、みんな家に帰ってからも練習してるからなんですよね。難しい動きでも、ちゃんと次の日にはマスターして来てましたから。
ーーーみなさん頼もしいですね
ありがたいですね。だからこそ、アクションとプラスして、芝居の部分では、表情により気持ちがこもっていたと思います。
■「とんでも機械」は少年の永遠の夢!
ーーーアクションももちろんですが、それを活かすカラクリにもドキドキさせられますね
道具にはこだわりました!僕らが子どもの頃よく見ていた昭和の冒険活劇って、たくさんの奇妙な道具が出てきてワクワクしたんですよ。そういうところはぜひ活かそうと、今回も、「人間手裏剣」だったり「竹製パワードスーツ」だったり、とんでも機械は多く出しました。これらは僕がぜひ出したかったものたちです(笑)
ーーー竹のバネの力を利用して限界以上の能力を引き出す「竹製パワードスーツ」など、見ていてすごくワクワクしました。
ああいうのって少年の夢だと思うんです!いや、あんなのありえないでしょっていう部分もあるけど、でも、あったらいいよねっていう。そういう気持ちを大事にしてます。今思うと、昭和のときって、それが当たり前にあったんですけど、最近はそういう作品とか機械って見ないんですよね。
ーーースマートでカッコイイものが多いですね
まあ、それも良いんですけど…でも、みんな設定とかを真面目に考え過ぎてるんじゃないかなとも思います。例えば、忍者ものの作品だったら伊賀と甲賀の関係をちゃんと描かないといけないとか、ここに服部半蔵がいて、柳生十兵衛がいて…とか。今回僕は、そういうのじゃなくて、純粋に気軽に楽しめる「忍者」ものをやりたかったという想いが強かったです。
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■「虎影」DVD情報
*ブルーレイ&DVD 1月6日発売
*ブルーレイ:\5,000(税抜) DVD:\4,000(税抜)
*発売元・販売元:ハピネット
監督:西村喜廣
出演:斎藤工、芳賀優里亜、しいなえいひ、清野菜々、津田寛治
(C)2014「虎影」製作委員会
提供:応援団
公式サイト:http://www.torakage.com/