お芝居はOKでも、お経がNGで撮り直し!? 伊藤淳史さん主演『ボクは坊さん』(2/4)

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お芝居はOKでも、お経がNGで撮り直し!?

お坊さんのリアルな日常を演じた感想について語ってくださった前回のインタビュー。今回は、そのリアルなお坊さんになるための役作りについて、お話を伺いました!

 

 

 

1人の青年という点ではあえて役作りはいらない

ーーーお坊さんを演じるにあたって、特別な役作りはされたんですか?

いえ、1人の青年という点においては特別な役作りはいらないと思いました。お坊さんという職業は特殊ですけど、主人公の進(すすむ)は決して特別な存在ではないですから。急に家業を継がないといけなくなった青年という状況は、他の自営業の息子でもあり得ることですし。だから、役の気持ちの部分に関しては、僕自身、1人の青年として特別な事はしなくてもスーッと理解できることは多かったです。

 

 

お経は気持ちが乗り過ぎてはいけない

ーーーお坊さんの所作についてはどうでした?

難しかったです。特に難しかったのはお経ですね。事前に、役のモデルになった白川密成さんにお経のDVDを頂いて、イメージを膨らませて練習もしたんですけど…クランクインの3日前にご本人の前でお経を読んだら「ちょっとダメですね」って言われちゃいました。

 

 

ーーーどこがダメだったんですか?

気持ちが乗り過ぎと言われました。もっと軽く、力を抜いてサラサラと読んでくださいと。

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ーーー役者さんとしては気持ちを乗せることがお仕事という部分がありますよね

これまでやってきたお芝居では、役に対してだんだん気持ちを乗せていくっていうことを大事にしてたんですけど、それが逆に「無になってください」と言われて…真逆だな、どうしようと思いました。

 

 

ーーー無って、また難しそうですね。具体的にどうされたんですか?

例えば、真言宗のお経って「たいら~きんこうふこう…」って始まるんですけど、僕は最初の「た」の言葉が強いって言われたんです。もっとフラットに流れるように読み始めてくださいと。極端に言えば、最初の「た」が聞こえないぐらいの「…いら~きんこう~…」ぐらいでと。

 

 

 

プロの目で厳しく指摘してもらったのが有難かった。

ーーーお経を読むシーンだけでも、めちゃくちゃ大変そうですね

はい。なのでお寺での撮影では、お芝居はOKだけど、お経でNGだからと、撮り直したところもけっこうあります。でも、そうやってプロの方に厳しく指導してもらいながらやれたのは有難かったです。

 

 

ーーーそういう所作で難しいと感じたところって他にもあったんですか?

他にあったのは、婚礼の儀のシーンですね。このシーンでは、セリフを1文字1文字ゆっくり読んでいくんですけど…文のココで1回止まって座るとか、息はここまでしちゃいけないとか、息継ぎのタイミングまですごく細かく決められていて、それは厳しいなって思いました。

 

 

ーーーお坊さんって覚えなきゃいけないことが多いんですね

でも、白川さんから、所作の意味を含めて丁寧に教えてもらいましたし、僕もそこは厳しく言って欲しかったので本当に良かったです。

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■「ボクは坊さん。」公開情報

*2015年10月24日(土)から全国ロードショー

監督:真壁幸紀

脚本:平田研也

出演:伊藤淳史、山本美月、溝端淳平、渡辺大知、遠藤雄弥、濱田岳、松田美由紀、イッセー尾形

公式サイト:http://bosan.jp/